ケニアから請求が来た話 国際電話Q2の恐怖
角子 今日は何ですか。
万太郎 請求書の話をしたい。
角子 請求書。
万太郎 電話代だ。ある日、とんでもない金額の請求が来たことがある。
角子 いくらですか。
万太郎 正確には覚えてないが、数万円だな。
角子 電話代でですか。
万太郎 電話代でだ。しかも国際電話だった。
角子 誰にかけたんですか。
万太郎 かけてない。かけた覚えがまったくない。
角子 じゃあなんで請求が来るんですか。
万太郎 そこだよ。明細を見たら、ケニアって書いてあった。
角子 ケニア。
万太郎 アフリカのな。
角子 知り合いがいるんですか。
万太郎 いるわけがない。行ったこともない。
角子 じゃあ何なんですか。
万太郎 ……ネットだ。
角子 ネットで電話がかかるんですか。
万太郎 当時は電話回線でつないでたって話をしただろう。
角子 しましたね。深夜にやるって。
万太郎 あれが原因なんだよ。
角子 どういうことですか。
万太郎 サイトを見てると、無修正画像はこちらをクリック、って出るわけだ。
角子 押したんですね。
万太郎 押した。
角子 押しますよね。
万太郎 押すだろう。そのために来てるんだから。
角子 それでどうなるんですか。
万太郎 勝手にプログラムが入って、回線を切り替える。
角子 切り替える。
万太郎 接続先を変えるんだ。普通のプロバイダじゃなくて、海外の番号につなぐ。
角子 それが国際電話ですか。
万太郎 そうだ。しかも通話料が異常に高い場所を選んでる。
角子 気づかないんですか。
万太郎 気づかん。画面上は普通に見えてるからな。
角子 見てる間ずっと課金されてると。
万太郎 されてる。一分ごとに増えていく。
角子 こわいですね。
万太郎 こわい。しかも気づくのは翌月だ。
角子 請求書が来てからですか。
万太郎 そうだ。それまで何も起きない。
角子 その一か月が無防備ですね。
万太郎 無防備だ。俺なんか、その間も普通に使ってたぞ。
角子 増え続けてたんですね。
万太郎 増え続けてた。
角子 どうしたんですか、その後。
万太郎 払った。
角子 払ったんですか。
万太郎 払うしかないだろう。使ったことになってるんだから。
角子 抗議とかしないんですか。
万太郎 できるわけがない。何を見てて請求が来たか説明しないといけないだろう。
角子 あ。
万太郎 そこなんだよ。文句を言えない構造になってる。
角子 うまくできてますね。
万太郎 うまい。あれは悪質だが、よく考えられてた。
角子 家族にはバレなかったんですか。
万太郎 バレた。
角子 バレたんですか。
万太郎 請求書は家に届くからな。
角子 最悪ですね。
万太郎 最悪だ。ケニアって何だって聞かれた。
角子 なんて答えたんですか。
万太郎 間違えたと言った。
角子 間違えてケニアにかけないですよね。
万太郎 かけない。だがそう言うしかない。
角子 信じてもらえました。
万太郎 信じてない顔だった。
角子 でしょうね。
万太郎 だが追及もされなかった。
角子 察したんですね。
万太郎 察したんだろう。あれは優しさだったのかもしれん。
角子 今はそういう詐欺ないんですか。
万太郎 国際電話の形ではないな。回線が変わったから成立しない。
角子 でも別の形はありますよね。
万太郎 ある。手口が変わっただけで、狙いは同じだ。
角子 言えないことを利用するんですね。
万太郎 そうだ。あの構造は変わってない。相談できない状況に追い込むのが基本だ。
角子 じゃあ、対策は一つですね。
万太郎 なんだ。
角子 押さないことです。
万太郎 ……それができれば苦労はせん。
