【対談】大人の〇〇は何がすごいのか 万太郎少年の誤解

大人のおもちゃ屋

大人の〇〇は何がすごいのか 万太郎少年の誤解

角子 この前の、大人のおもちゃの話なんですけど。

万太郎 なんだ。

角子 子どもの頃、意味を取り違えてたって話でしたよね。

万太郎 そうだ。プラモデルだと思ってた。

角子 でも、その理屈でいくと問題が起きませんか。

万太郎 どういうことだ。

角子 大人のって付くもの、全部そうなりますよね。

万太郎 ……ああ。

角子 大人のふりかけとか。

万太郎 あれか。

角子 あれ、何がすごいんですか。

万太郎 当時の俺は本気で考えてたな。

角子 考えてたんですか。

万太郎 考えてた。大人しか食べられない何かが入ってるんだろうと。

角子 実際は何なんですか。

万太郎 わさびとか、そういう辛味だ。子どもには辛いってだけの話だな。

角子 拍子抜けですね。

万太郎 拍子抜けだ。だが名前が悪いだろう。

角子 大人のって付けたら、期待しますよね。

万太郎 するんだよ。しかも、おもちゃの件があるから余計にな。

角子 混線するわけですね。

万太郎 混線する。世の中の大人のって付くものが、全部そっち方面に見えてくる。

角子 他に何がありました。

万太郎 大人の階段。

角子 歌ですか。

万太郎 歌詞にあるだろう。あれを聞くたびに、どこにあるんだと思ってた。

角子 実在する階段だと思ってたんですか。

万太郎 思ってた。どこかにあって、登ると大人になるんだと。

角子 純粋ですね。

万太郎 純粋というか、ものを知らんだけだ。

角子 他には。

万太郎 大人の事情。

角子 それは今でも意味が曖昧ですね。

万太郎 曖昧だ。子どもの頃は、大人だけが知ってる秘密の取り決めだと思ってた。

角子 実際は。

万太郎 金だ。だいたい金の話だな。

角子 夢がないですね。

万太郎 ないんだよ。大人になってわかったが、大人のって付くものはだいたい大したことがない。

角子 全部そうですか。

万太郎 大人の休日とか、大人の遠足とか、そういうのもあるだろう。

角子 ありますね。

万太郎 全部、落ち着いた感じというだけだ。特別なものは何もない。

角子 じゃあ、なんで大人のって付けるんですか。

万太郎 言葉に響きがあるからだろうな。ちょっと上等に聞こえる。

角子 子どもには意味がわからないので、都合もいいですね。

万太郎 そうだ。あれは便利な言葉なんだよ。

角子 でも、そのせいで万太郎さんは誤解したと。

万太郎 誤解した。あの言葉のせいで、子ども時代の世界観が歪んだ。

角子 大げさですね。

万太郎 大げさじゃない。大人の科学ってのもあったぞ。

角子 科学ですか。

万太郎 雑誌でな。付録が付いてるやつだ。

角子 それは普通に科学の雑誌ですよね。

万太郎 普通だ。だが名前を見たときは身構えた。

角子 もう病気ですね。

万太郎 病気だ。ただ、これは俺だけじゃないと思うぞ。

角子 同じ誤解をした人がいると。

万太郎 いるはずだ。あの時代の男は、みんな一度は考えてる。

角子 根拠がないですね。

万太郎 ない。だが確信はある。

角子 まあ、わからなくもないです。

角子 私も子どもの頃、大人向けって言葉には何かあると思ってました。

万太郎 だろう。誰でも通る道なんだ。

角子 でも、ふりかけで期待するのは万太郎さんだけだと思います。

万太郎 そこは譲らないんだな。

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