【対談】今なら全部アウト 投稿写真という文化があった話

昔コンビニで売ってたエロ本

今なら全部アウト 投稿写真という文化があった話

角子 今日は雑誌の話の続きですか。

万太郎 そうだ。ただ、今日のは少し厄介な話でな。

角子 厄介。

万太郎 昔、投稿写真って雑誌があったんだ。1984年創刊だな。

角子 投稿。読者が送るんですか。

万太郎 そうだ。読者が撮った写真を送って、それが誌面に載る。

角子 プロが撮ったものじゃないんですね。

万太郎 じゃない。そこが新しかった。

角子 どんな写真が載ってたんですか。

万太郎 ……そこなんだよ。

角子 言いにくそうですね。

万太郎 言いにくい。当時はアクション写真ってのが流行っててな。

角子 アクション。

万太郎 パンチラとか、そういうやつだ。街で撮ったものとかな。

角子 それ、盗撮じゃないですか。

万太郎 盗撮だ。

角子 認めるんですね。

万太郎 認める。というか、擁護しようがない。

角子 当時は問題にならなかったんですか。

万太郎 なってたと思うぞ。ただ、今ほど明確じゃなかった。

角子 法律がなかったんですか。

万太郎 今みたいな条例が整備されてなかったからな。撮影自体を直接取り締まる仕組みが弱かった。

角子 じゃあ野放しですか。

万太郎 完全に野放しじゃないが、線が曖昧だった。

角子 その曖昧なところに雑誌があったと。

万太郎 あった。しかもかなりの数だ。似たような雑誌が次々出た。

角子 流行ったんですね。

万太郎 流行った。もとをたどると、1981年に出た撮影術の本があってな。それがベストセラーになって火がついたらしい。

角子 撮影術。

万太郎 遊び心で撮ろう、みたいな趣旨だったようだが、拡大解釈されていった。

角子 どこまで行ったんですか。

万太郎 銭湯とか、脱衣所とか、そういう写真を載せてた雑誌もあったと記録に残ってる。

角子 完全に犯罪ですよね。

万太郎 完全に犯罪だ。今なら逮捕される。

角子 当時の人はどう思ってたんですか。

万太郎 どうだろうな。麻痺してたんだろう。雑誌に載ってると、そういうものだと思ってしまう。

角子 怖いですね。

万太郎 怖い。だから懐かしむ話じゃないんだ、これは。

角子 珍しく厳しいですね。

万太郎 厳しくもなる。撮られた人がいるんだから。

角子 その人たちは知らないわけですよね。

万太郎 知らない。自分が載ってることすら知らない。

角子 それが一番ひどいですね。

万太郎 ひどい。今の感覚で見れば、擁護の余地がない。

角子 でも、なんでその話をするんですか。

万太郎 なかったことにしたくないからだ。

角子 どういうことですか。

万太郎 こういう時代があったって記録しておかないと、何が変わったのかわからんだろう。

角子 変わったことは変わったんですね。

万太郎 変わった。今はきっちり犯罪だと決まってる。それは進歩だ。

角子 じゃあ、この雑誌に良かった点はないんですか。

万太郎 構造としては面白かったんだよ。

角子 構造。

万太郎 読者が送り手になる仕組みだ。プロじゃない人間が誌面に載る。

角子 それって、今のSNSと同じですね。

万太郎 ……お前、それは鋭いな。

角子 誰でも投稿できるって、普通のことなので。

万太郎 俺たちにとっては新しかったんだ。読む側が作る側になる。

角子 仕組み自体は先を行ってたと。

万太郎 行ってた。中身が最悪だっただけでな。

角子 まとめ方が雑ですね。

万太郎 雑でいい。褒める話じゃないんだから。

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